ないものを作ろうとするアメリカ人、あるものを活用する日本人

 ビジネスだ、儲けだ、アメリカンドリームだ。
無一文から億万長者になることをアメリカンドリームと言ったりします。
実際に実現した人がいるからそんな呼ばれ方をするのですけどね。


 でも、アメリカンドリームを実現した人って…。
億万長者になればいいなんてことはないと思う。
そもそも、必要以上のマネーは何に使うのだろうか。
物をどれだけ買っても余るマネーに困るのではないか。
成功したら次に目を移す人のほうが多いのかな。
金で金も回る時代だから、金に取りつかれてしまうのかもしれない。


 アメリカンドリームって油田を当てるみたい。
今までなかったものがある日突然舞い込むわけですから。
そうやって、開拓していくのが得意なんだろうな。
ディスカバリー精神、日本人にはあまりないかもしれないな。
持ってる人は持っているんだろうな。
でも、今あるものを使わせたら日本人は最強かもしれない。


 地球に住んでいる限りは日本人の発想は使えると思う。
地球上の資源には限りがある。
効率よく使わなければならないし、
あるものとあるものを組み合わせて使うなんてことも必要だ。
あるものを使わせたら世界一かもしれない日本人。


 そんな日本人でも、アメリカンドリームの幻想に取りつかれている。
実際に億万長者って悪い響きではないし…。
だけど、金融という金で金を稼ぐような仕事があり、やたらと儲かる。
その金融は、サブプライムローン問題で半ば崩壊気味。
現行のシステムに欠陥がある。
だけれど、それに気付きたくない。
信じているものを否定されるのは嫌だと思う。
自分も人間だから、受け入れたくないという気持はよくわかる。


 ディスカバリーの時代ではないのかもしれない。
開拓するよりも、「発掘」の時代になると個人的に思います。
アメリカンドリームは一世風靡したけれど、限界だ。
それよりも、現行の社会、経済システムを掘り下げて考える時代だ。
今までのものを考え直す時代だと思う。
そもそも、現行のシステムは正体不明なのだから。


 物質的、理論的なものをよりどころにしてきた社会。
しかし、その根幹は正体不明、誰も知らない。
一つ一つは説明できても、その根幹のみを説明できる人はいない。
ある意味、宗教のようなことになっていることに、気づかずに慣れてしまったのかもしれない。
それとも、これも唯一神の業たる由縁か。