D1ってご存知ですか?

 D1という名のモータースポーツがある。
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このD1という競技は、モータースポーツだが、
ただレースをして誰が速いかを決めるF1やWRCといったものとは一線を画す。
先日、お台場で行われたお祭り騒ぎなエキシビションを見てきたので、
そこで感じたこといくつか書いてみる。

ライヴより近い感覚

でっかいスクリーンに、CMはもちろんのこと、選手のプロフィールを教えてくれたり、
競技をリアルタイムで流してくれるのはもちろんのこと、
テレビのごとくスロー再生まで流してくれる。
初めて見た自分でも、流れるようなD1の進行についていくことができた。
そして、審査員長の土屋圭一さんがMCの一人として、
突っ込み(この日は自ら乗り込んだ車で壁に突っ込んでいたが)を入れてくれる。
それにより選手に親しみを湧きやすい。
選手との距離も近く、休憩時間にどこかその辺(どのへんだ?)を歩いていたりもする。
さらに、休憩時間には、ドリフトと音楽やダンスのコラボレーションといった
今まで見たことのないような演出がなされていた。
車を運転しているのは試合に出ている選手たちだ。
これだけコラボレーションの演出に富んだモータースポーツは見たことがない。
ミュージシャンのライヴよりも、ライヴ感万歳だった。

ドリフトというアングラ芸術

D1はどちらかといえば、フィギュアスケートのような競技だ。
ドリフトの入り方、抜け方、その的確さや美しさ、そして高速でコーナーへ飛び込んでいくアグレッシブさを楽しむ競技だ。
予選では審査委員が100点満点でドリフトを評価し、その上位16位が2回戦へと進む。
そして、2回戦からは追走という2台同時にスタートし、ドリフトしながら並走する。
もちろん、2台が一気に突っ込むと事故になるので、先にドリフトに入る車、後で入る車(とっても、ほぼ密着状態だが)と多少の時差を持ってコーナーに突入する。
ここでは、相手のイン側にどれだけ食い込めるか、相手に接近できるかが競われる。
ここではフィギュアスケートというよりも、チキンレースだ。
どちらが先に参るのか、心理戦でもあり、度胸試しでもあり、見ていてハラハラする。
キャラクターの濃い選手たちが見せる、一級の芸術。
ただ、乗っている車はチューニングがほぼ自由、ほぼ趣味、この競技の始まりも、頭文字Dに出てくるような走り屋が始めたようなものなので、実はアングラ感が漂っていたりする。
それをここまでの競技に仕立て上げられたという凄みもある。

ラジオのようなノリのMC

初めてD1を観たのは友人に借りたDVDだった。
それを見たとき、なんて自由なMCなんだと思わざるを得なかった。
もう、選手を好き放題にいじったり、競技開始前に審査員長がいなかったり、
突っ込みどころ満載なのだ。
それを聞きながら、「ああ、これラジオのようなノリだな」と。
ラジオのMCを放置したら、多分あのようなことになるだろう。
もちろん、メインMCの鈴木学さんは真面目にMCをしようとしている。
それをまわりが茶化す、それを鈴木さんが茶化す。
競技中は評価もするが、突っ込みも入れる。
会場でも十分楽しめるのだが、
DVDで見たときにこのMCがあるからこそ楽しめる部分もあるなと思えた。


 最後に
D1は見て、初めてわかるところがたくさんあるモータースポーツだ。
タイヤスモークで煙いと思うこともあるかもしれないが、
それすらも楽しみに変えてしまうD1というものが、
エンターテイメントの新しい形の1つに見えた。