それは何故かスタンダードだった

 昔から、必ず見る名前だった。
名前の書きかたの例には必ず出てきた名前だった。
テストでも、役所でも、どこでも見かける名前だった。
だけれども、その名前の知り合いが今まで一人しかいない。


 その名前は…「太郎
「日本でポピュラーな名前は?」
と外国人に聞かれても太郎とは答えられなかった。
なぜなら、彼らの身近な日本人に太郎という名前がいないからだ。
よく「例として出てくる名前」と説明しなければならなかった。


 こんなにも滅多にいないと思われる世の中の太郎さん。
しかし、それも昨日で終わった。
日本の首相がついに「太郎」になった。
これで、有名な名前として紹介することができる。
麻生太郎のおかげで太郎がポピュラーな名前として説明できる!


 でもでも、よくよく考えてみると…。
イチロー」というメジャーネームがある。
もし、小沢一郎が首相になったとしても問題ないじゃないか。
日本でポピュラーな名前は一郎じゃないか。
これからは一郎で説明しよう、うん。
そもそも、誰が「太郎」を使うこと推奨したんだろう?
ああ、謎だ…。