悲しみの物語を

 人はなぜ、悲しみの物語を造りだしてしまうのだろうか


 人生に悲しみは不要だろう


 それでも人は悲しみの物語を求める


 ああ、なぜなのだろうか


 悲しみがないと生きられないのだろうか


 悲しみとは何なのだろうか


 ああ、なぜ涙が流れるのだろうか


 どうしてだろうか、平和であるはずなのに


 この満たされない心は何なのだろうか


 どうしてだろうか、悲しみを求めてしまうのは


 どこまでも落ちてゆく感覚を求めてしまう


 ああ、悲しみの心とはなんだろうか

 
 どこまで沈めば、求める悲しみはあるのだろう


 本当は何が欲しいのだろう