感傷的

 生きています。

 生きています…か。


 小さな変化のある毎日。

 いつも歩く道。

 この日、この時、この瞬間。

 この空も風景も今しかないのに、それは忘れてしまう。

 どうしようもない、でも切なくて。

 この曖昧な記憶を抱えながら、生きています。


 生きています、でも死んでもいます。

 誰かに殺されるわけでも、殺すわけでもなく、死んでいきます。

 死んだり、生きかえったり、また死んだり、もう覚えてなかったり。


 意味もなく、純粋に、死にます。

 もし、そんなことができるなら…僕は…。

 もし、記憶のように振る舞えるのなら、それを選んでみるかもしれない。


 ただ、意味もなく死んでみたいと想わせてくれたこの日へ。

 子供の記憶のような自分へ。