夏の終わりの切なさの

 ペキンペキン〜
ペキンって言葉の音が好きです。
何か折った音のような、なんだかスッキリする音です。


 北京オリンピックも終わっちゃいましたね。
閉会式も、開会式に負けず劣らずの迫力。
それと同時に、終わりが近付いているという静寂…といいますか、切なさも漂っていました。


 なんだか、小学時代の夏休みの終わりのような。
別に、何かあるわけでもないのに楽しみな夏休み。
でもそれは、ながいながい特別なお休み。
海に行った人でも、プールに通い詰めた人も、
おばあちゃん、おじいちゃんのところに行った人、
どこも行かなかったけどスイカくらい食べたし、花火くらいはした人。
誰にとっても特別なんです。宿題以外…。
一種のイベントのようなものです。
それが終わっちゃったら、妙な静寂が漂うじゃない。
イベントなら本当に静寂なんだけど、夏休みだったら切なさが漂うじゃない。
これから先に、平日という名の現実が待っている。
それは避けようのないことで、それを迎える前にやってくるんだろうなあって。


 夏休みって、宿題多いし、考えるだけで憂鬱な時がありました。
宿題っていう現実もあるけれど、ながーい休みもある。
大半は宿題忘れているのに、終わりに近づくにつれて溜まっていた宿題が出てくる。
あーっ!とか思いながら宿題やり終えて、残りは数日か数時間か。
宿題が終わらない自分を想像して嫌になっていたけれど、終わってしまえばそうでもなかったり。
やることもないし、ぼーっとするしかない。

「あーあ、もう終わりだなあー…」なんて思っちゃう。
その何となく妙に切ない感じで、夏休みが好きになりました。
いえ、夏が好きになりました。
夢と現実の間にいるような感覚、それも現実寄り。
漂っているような、浮いているような、不思議な感じ。


 夏休みって、いつ終わるのか決まっているけれど、実は違う気がする。
何となく、ぼーっとした感じがあって、
終わっちゃったな夏って感じがあって、
その後に、平日が始まる…気がする。
スッパリ気持ちが切り替わるような気もしないしね。
その切ない感じを持てる夏の感じを大切にしたいな。