ホンダの言う新しい新しい時代

 ノキアの日本撤退にショックを受けていたら、
今度はホンダがF1撤退…。
来年、期待してたのになあ。
記者会見の内容はこちら↓
ホンダはなぜF1から撤退するのか?――社長会見を(ほぼ)完全収録 (1/5) - ITmedia ビジネスオンライン


 記者会見の中に、いくつか気になる発言があったので、
ずるずるの自分が、痛い頭で考えたことを書きます。


 名だたる自動車メーカーが参戦しているF1。
フェラーリメルセデスベンツルノーBMWトヨタ、ホンダ。
エンジンの共通化ハイブリッドカーのような新システムKERS
さまざまな変化が予想されるF1。
その中で撤退を決めた、ホンダの言う新しい時代とは…。


 休止ではなく、撤退
ホンダの福井社長は、「休止」ではなく「撤退」という言葉を使った。
さらに、自動車産業は次の100年に入ったとも言っている。
F1のリソースを新しい時代に振り分ける。
新しい時代への、情熱、リソース、人材の振り分けという意味での撤退だと。


自動車産業は、この数年で確実に変化している。
メルセデスベンツが、ディーゼルエンジンが普及している欧州において、
ハイブリッドの時代が来るということを言っている。
これまでの欧州ではありえなかったことだ。
長い目で見たときにも、ハイブリッド、電気自動車、燃料電池車と、
石油からの脱却にも似た現象が起きている。
F1でさえも、KERSのようなハイブリッドシステムが導入される。
次の100年とは、このようなことではないだろうか。


 さらに、福井社長は言及している。
原油や、原材料の価格の変動、景気が回復すれば、また高くなる。
豊富な材料で車を作っていた時代は終わった。
「従来とは全く違った価値観で車を作る技術が必要なのだと思っています。」
と述べている。


 車の未来への投資ではないだろうか?
個人的に、よく考えることがある。
未来の車についてなのだが、
何によって走るのか、どのような技術が使われるのだろうか。
その昔、自動車関連の仕事をした方に話を伺ったことがある。
「昔の車は単純だったが、今ではコンピューターだ」と。
それだけ、車のハイテク化は進んでいる。
実際に、車の制御は、ほぼ電子制御になっている。
エンジンからブレーキ、ステアリングまで電気的に制御されている。
そして、制御するためのハードやソフトウェアが積まれている。
さて、人はいつまで車を動かせるのだろうか。


 次の100年の車は、多様化し、統合される。
ある程度の時代まで、車の動力源、燃料は多様化するだろう。
電気自動車、燃料電池車、これらが統合されるのか。
さらに、ガソリン、ディーゼル、そしてハイブリッド。
これだけ多くのものに投資を迫られている自動車メーカー。
経営資源の再配分という意味では、
ホンダにとって良い機会だったのではないだろうか。


 F1も、20年後にエンジンで動いているとは限らない。
車が進化するのであれば、
モータースポーツもそれに合わせて変化するだろう。
今回のF1撤退は、「自動車の先」が見えないことの表れかもしれない。
もし、車のカタチが変わったら?
その時、ホンダは再びF1のパドックに戻ってくるのではないだろうか。